ああもう、ほんとはこんなエントリなんて書きたくないんです! 人の発言ややっていることに外から批判を加えるなんてカッコ悪いことこの上ないと自分でも思います。が、自身の良心と信念に照らし、心を鬼にして言わなければならないことも、世の中にはあると思い、書いております。
さて、何をそんなに憤っているかというと、祭りがあったので久しぶりにネット上の情報をチェックしていたら、房日新聞のサイトに7月21日付で下記のような記事が掲載されていました。(中略と強調は高梨)
鴨川のまちづくり支援事業 応募した10団体 すべてに補助金
鴨川市は20日、市民グループが提案・実施するまちづくりの取り組みを支援する今年度の「みんなで育て鯛!まちづくり支援事業」の採択結果を発表。事業提案のあった10団体すべてに対し、補助金交付を決めた。
採択団体と事業計画の概要は次のとおり。
(…中略…)
【立ち上げ支援コース】=補助金上限10万円
(…中略…)
▽かもナビ市民交流メディア創造プロジェクト=市民参加型の市民活動ポータルサイト、市民交流メディアの構築
一瞬、目を疑いました。「え?かもナビって補助金受けるの?しかも、2008年からやってるのに今さら『立ち上げ支援コース』???」
「補助金受けるのがなんで悪いの?」と思われる方も多いかもしれません。私自身、(社)鴨川会議所の活動などで、少なからぬ助成金をお預かりしながら事業を担当させていただいた経験もありますし、補助金なり助成金を受けること自体を云々したいわけではないのです。
ガマンがならないのは、「中の人」の一人が2008年5月30日付でこういうことを書いていることです。(強調は高梨)
補助金体質から脱却しよう!
ここ最近、鴨川市の観光関連(もっと言えば、街づくり)プロジェクトに参加しているが、鴨川のみならず、全国どこでも染み付いてしまっているのが補助金体質である。
さまざまな団体、組合が存在するが、そのほとんどが補助金をあてに運営している。まず補助金ありき、の世界なのだ。
もっとも補助金を拠出している自治体ですら、国や県からの補助金を期待しているのだから、これは全体的な問題と言える。私は補助金自体は否定しない。
だが、いまの補助金のあり方は根本的に間違っていると思う。
以前、長い年月が経過し、自己改革が行われていないと、組織のための組織になってしまう、ということを述べたが、補助金もまさにその通り。
初心を忘れて、利害のからんだ、各方面の自治体や団体を維持するためのお金になってしまっている。何かプロジェクトをやる、というときに、真っ先に補助金は下りるのか、下りるならいくらあるんだ、という話になる。
これでは本末転倒である。本来は何かプロジェクトを進めるにあたって、これはすばらしいものだが、財源的に足りないから、一部を補助金で補ってもらおう、というのが補助金のあるべき姿である。
これが逆になってしまっているのだ。私は声を大にして言いたい。(というか、機会あらば言っているが…)
補助金体質から脱却しようではないか。
補助金ありきの議論ではなく、自分たちの知恵を出し合い、工夫して、いかに自主財源、自分の体力の中でできるかを考えるべきだ。
もちろん大きな困難は待ち受けているだろうが、それと対峙し、乗り越えていくところにプロジェクトの醍醐味があるのであり、さらに乗り越えたとき、それは大きなノウハウになるのである。いま取り組んでいるポータルサイトだって、私は新たな補助金を安易に引っ張るのは反対だ。
それじゃ、おもしろくない。
お金がない中で、各団体も、また制作会社も、いかに工夫をしてすばらしいものを作り上げるのか、そこに本当の価値がある。
それができたら、それこそ、全国の画期的なモデルケースの一つになることは間違いない。私はかつて経営者であったとき、基本的に外部のお金は一切入れなかった。
補助金もこちらから率先して頂いたことはまずない。
他人のお金を入れて、資金潤沢の中、経営をするのは確かに財政的には楽だろう。
だが、全くおもしろくないし、そういった経営は経営の一番の醍醐味を自ら放棄してしまっているようなものだと思う。「マネーの虎」というテレビ番組があった。
成功した経営者が起業を目指す人のプレゼンをきき、納得すれば投資する、という番組である。
だが、私は投資された人は必ずしも成功者にはなれない、とよく社員に言っていた。
それはこれまで述べてきたことである。
最初から目標資金の中でやったって、おもしろくないからだ。
そこに経営ノウハウは見出されるはずがないのである。鴨川ポータルサイトを進めていく中で、みな予算の心配をする。
確かにそうだろう。
これだけ規模のでかいウェブサイトを構築するのだ。
普通に考えたら、莫大なコストがかかりそうなところである。だが、私は「心配いりませんよ。なんとかなりますから」と話す。
根拠も自信もある。
今回少なくとも作り手の一人である私は、このプロジェクトを案件の一つとしてとらえていないからだ。仕事としては考えていないからだ。
むしろ、鴨川を愛する、郷土を愛する一人として、自分のできることをそれを何よりも優先して実行することに重きをおいているからである。最初から予算を決めてしまっては、その予算内の妥当な仕事しかできない。
そんなのはおもしろくない。
予算は二の次。内容重視。
これだけの内容をたったこれだけの予算でがんばってやったのだ、というところに本当の仕事の価値もある。いまこそ、補助金体質から脱却しよう!
それが地方、もっと言えば、日本を救う一つの端緒となる。
内部的な事情はよく知らないのですが、トップページに「有料バナー募集」のバナーや「リンクのお願い」がずっと載っている辺りから察して、失礼ながら予算が潤沢にあるわけではないんだろうなぁ、ということはお察ししておりました。補助金を受けるに当たって上の記事を書いた岡野氏の一存で決定したわけではない(願わくは)だろうこともわかっております。
がしかし、こうまで書いたのなら、
「俺達絶対補助金なんてもらわねーから。w 自分らで金が入ってくるようにするつもりなのに10万ぽっちの補助金ってどんだけwww」
くらいの気概は見せて欲しかったのでありますよ。orz
もちろん「年々歳々花相似たり、歳々年々人同じからず」と申しますし、3年も経っておりますから、今とは事情が異なるということもあるでしょう。ただ、逆に言えば、3年もやっていて、まだ「立ち上げコース」という名の補助金に依存しなければならないのだったら、いっそのこともうやめ(以下自粛
かくいう私自身も地域ポータルを作っては潰し作っては潰してきた身ですので、あんまり偉そうなことを言えた立ち場ではないのですが、補助金はもちろん、他の人を巻き込んでまでやろうと思ったことは1ナノ秒もありませんでした。私がやった当時は「ポータル?何それおいしいの?」くらい認知度でしたし、第一他人を巻き込むと自分のやりたいようにできないですし。だいたい1人でも100人分、1000人分のことができるのがITのいいところなのに、それが体現できなくて何がポータルサイトかと。
ああもうこういうこと書いてる自分が情けなくなって、マジでなんかやりたくなってきた! 結果どうなるかわからんけど、やれるだけのことはやってみる!