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田舎もんでもわかる!高梨のコンピュータ講座 Vol.0

小さい頃、「台風いっか」というのは台風のお父さん、お母さん、子供たちのことだと思っていた高梨です。昨日はものすごい風が吹き荒れていましたが、皆さんご無事でしたでしょうか?

さて、検索エンジンからのキーワードで察するに、弊社ブログにはカブやらN◯K語学番組キャプチャツールやらを目当てに来ている方が大多数かと思われます。駄菓子歌詞、弊社はれっきとした「IT屋」であります! カブいじりやら語学やらは趣味なんじゃぁぁ!!! 本業にも関係ねーこたねっけんがなーーー!

…つい取り乱してしまいました。orz 気を取り直して、「講座」なんてものを始めてしまった理由について述べてみたいと思います。

弊社が「製作所」と名乗る経緯に関してはFAQにも載せている通りなので割愛しますが、例えば、街の工務店さん、製作所さん、鉄工所さん、木工所さんetc,etc… が実際にされている仕事の大半は、何かを「作り出す」ことのみならず、何かを「修理する」ことだと思われます。実際、弊社も近在からご依頼いただく事としては「パソコンが壊れたのを直す」ことが主です。都内から受注する仕事においても、現状動いている仕組の問題点を改善することも含まれますから、「製作」所と名乗っている割には何かを一から新しく作り出す、ということは実は少ないのかもしれません。

そして、この世のありとあらゆる機械は原理的には「修理が可能」です。オイルやブレーキパッドといった消耗品の交換、懐中時計の歯車への注油、破断してしまった鉄材の溶接などなどなど・・・。

ただし、ことコンピュータに関しては、「何が原因で故障したのか」房州弁で言えば「あんでおいねーなっつったんか」が殊の外わかりにくい場合があります。

私が考えるに、これには二つ理由があります。ひとつには、故障した部分を(普通は)直接見ることができないから、もうひとつにはプログラムプロトコルといった「非物質的な構成要素(ソフトウェア)」が働きの大部分を占めるから、と思われます。

前者は自動車と比較してみるとわかりやすいでしょう。例えば、車を運転中にブレーキを踏んだらキーキー音が鳴り出したとします。さて、その場合、あなたが点検して対処すべきなのは、車のどの部分でしょうか? アクセル? エンジン? バッテリー?  それとも、ワイパー?

どれも違いますよね。当然ですが、正解は「ブレーキ」です。自動車のブレーキパッドの交換は手間がかかりますし、自他の命に関わるのでご自分で行うことはお勧めしませんが、整備工場に持ち込んだ際、ブレーキパッドが減っているのを「目で見て」確認することは可能です。他にも、マフラーに穴が空いていたり、各種オイル、フルードが減っていたり、タイヤの空気が減っていたり、あまりないことでしょうがギアの歯が欠けていたり、といった不具合の「原因」を、確認することができます。

が、コンピュータの場合、例えば半導体部品の「本当の故障部分」を調べるには、おそらく電子顕微鏡が必要でしょう。昨今はマザーボード(基板)上の部品も微小化しているので、ルーペと特別な半田ゴテを使って直せたらいい方で、普通は壊れた部品を丸ごと取り替えます。この「部品ごと取り替えられる」ことを「モジュール化されている」と言ったりします。

コンピュータ、特にパソコンはモジュール化が極度に進んでおり、日本の大手メーカー製パソコンも、中身はアメリカ・台湾・韓国・タイ・中国など世界中からの部品を組み合わせて作られています。(ちなみに、私が自分のバイクに手を加える際「社外品」や「外国製部品」を使うことにさほど抵抗を感じないのは、おそらくコンピュータ畑の感覚に慣れているからなのだと思います)

ただ、一般ユーザーの方にとって問題なのは「どの部品がおかしくなったのか」が直感的には判断しにくいことでしょう。パソコンの中身を見せられたことがあるなら、あの複雑な配線やら基板のどこがおかしいのか、見当がつかないはずです。

実は、コンピュータの物質的な構成要素(「ソフトウェア」に対して「ハードウェア」と言います)は、モジュールという単位で見れば驚くほど単純です。現在世に出回っているあらゆるコンピュータは本質的には二つの要素から成っている、と言ってもいいかもしれません。

色々書いてしまいましたが、先ほどあげた二つの理由のうち、後者は、これは説明しだすとキリがないですし、皆様からよく尋ねられる質問にお答えし、かつ、もう少し理解が深められるような知識を付け加える形で解説して行こうと思っております。私の本来の専門分野は実はこちらのほう、つまり医者で言えば外科医というよりは、内科医か精神科医に近いので、こちらをメインに取り上げます。

  1. 演算装置(CPU)と一次記憶装置(メモリ)だけ
  2. なんで英語なの?
  3. OSという発明
  4. コンピュータは仮想世界の住人
  5. インターネットはコンピュータ同士の糸電話ごっこ
  6. プログラマの襟はなぜヨレているか
  7. 世の中ソフトウェアでできている

 

いわゆる「パソコン使い方指南」「インターネットの便利な解説」ではないことにご注意ください。「免許を取って運転している人は車に乗っているのではない。メーカーや修理工場に乗せてもらっているだけだ」という人も世の中にはいますし、何の分野でもそうですが特にコンピュータ畑は、ちょっと踏み込んだことを知るだけで、かなり応用が効くようになるものです。

最後に、「講座」などと銘打ってしまいましたが私自身アマチュア出身で、専門的な教育を受けたわけではないことをお断りしておきます。内容が深淵に見えるとしても、専門家諸氏におかれては在野の一技術者の戯れ言とお受け取りいただき、間違いなど見受けられましたらご指摘いただければ幸いです。

映画「ソーシャル・ネットワーク」を観ました

今更ながら、Facebookの創業時のゴタゴタをまとめた「ソーシャル・ネットワーク」を観ました。ある友人が「プログラマーなら観るべき!」と言っていたし、私の仕事にもまんざら関係ないこともないので。

冒頭の、ハーバード大学内寮の女子写真を集めるハッキング(?)は言ってることが全部わかりましたね。というより、あれはシステム侵入でもなんでもなく、ただネット上にあるデータをアグリゲートしてるだけの話です。私も情報収集によくやります。

それはさておき、見終わった後思ったことは「うーん、俺ももっとガツガツしたほうがいいのかもなー」ということでした。

アメリカほどではないでしょうが、一時期IT起業が流行っていた頃、日本でもベンチャーに対する期待感が「肌で」感じられた頃があります。はばかりながら、私でさえ「時代の寵児」なんて言われたこともありました。

まだザッカーバーグ氏に直接お会いしたことはないので断言はできませんが、映画を観る限りでは、私がよく知るITベンチャーの社長や元社長にも彼に似た人はいます。人の話を聞かず、自分の能力を過信し、創業時の共同経営者とトラブルになり、云々・・・。どちらかというと、あまり友人に持ちたくないタイプです。w

そういうお前はどうなんだ?と言われそうですが、私は自分の会社をいわゆる「ベンチャー」と考えてはいません。衆目を集め、話題に登り、一部上場し、大金を掴み・・・という野望は正直あんまりないです。それよりは、好きな時間に起きて、旬の魚を味わい、たまに仲間と酒を飲む、くらいの生活ができれば言うことありません。

ただ、もしそうであることが許されるのならば、「鴨川(あるいは南房総)で最高の技術力を持っていたい」とは思っています。技術力と言っても幅が広いですが、言い換えるなら「『はい、それできます』と言える力」かな。お客様に「これ、できる?」と聞かれたとき、「いやーうちではできないですね」とお断りすることができるだけ少ないようにはしたいと思っています。

「そんな受身じゃダメだろ、自分でなんかすごいサービス考えて展開しろよ」という声が聞こえてきそうですが、どうも私の発想は地元では3年ほど早すぎるようで、持ってるネタもあるんですが、あまり実ることなくモチベーションを失ってしまいます。

来月末のNY行きはその辺を肌で確かめたいという希望も実はあります。勘のいい人は気づいているかもしれませんが、最近話題になっているサービスや製品って、ほとんどアメリカ発ですよね。iPhone/iPad, Androidスマートフォン、Twitter, Facebookなどなど。Yahoo!Japanの検索エンジンも、実はすでにGoogleのものを転用している状態です。できれば向こうの同業者の人たちと話をしてみて、自分の考えていることがどのくらい通用するのか、あるいは遅れているのかを確かめてみたいんですね。西海岸にいる人たちはすでに成功してしまった人たちなのでアポ取りは絶望的でしょうが、ニューヨークやワシントン辺りの人くらいだと、天津の田舎者でも相手にしてくれるかもしれません。w

天津の田舎もんがNYに行く の巻 – Part.1

どうも、今まで日本から一歩も外に出たことのない、井の中の蛙の高梨です。

昔から英語は好きで自分なりに勉強していまして、今ではそこそこ喋れるくらいになりましたが、今まで英語圏も含め、外国に行ったことがありませんでした。中学のときに、ある先生が「英語なんてアメリカに住めば簡単に覚えられるよ。」みたいなことを言っていたので、「なら俺は日本にいたまま英語喋れるようになってやる!」と思いたち、現在にいたっております。我ながら素直じゃありませんね。大学の時には留学しようと思っていたら、なんと留年してしまいました。orz

ただまあ、いつかは行ってみたいという希望はずっと持っておりまして、今まではお金があるときには暇がなく、暇があるときにはお金がない、という大変ありがちな状況が続いておりました。

が、今回ある程度両方が見込める状態になったので、ご存じの通り円高ですし、晴れて海外、それもアメリカはニューヨークに行ってみようと思い立ったわけです。そう、あの自由の女神が立っているニューヨーク、です。栄町で入浴するのとはわけがちがいます。w

なんで近場の韓国でもなく、日本人に人気の高いハワイでもなく、いきなりニューヨークかというと、理由は単純で「友人がいるから」です。以前、彼とその一家は鴨川に住んでおり、ALTとして働いていたときに知り合いました。毎年夏になると鴨川に来ていたので、今年は来るのか聞いてみたら「行く予定はない」とのこと。

ならこっちから行こうというわけで、その友人にはホテルの手配をお願いし、私は航空券とパスポートを準備すればいいことになりました。向こうでも色々楽しいところに連れて行ってくれるそうなので楽しみです。

しかし、そうは行っても*初*体*験*なのでやはり不安はあります。ニューヨークなんて一歩間違えたら危ないエリアに踏み込んでいた、なんてことになりそうだし。

まず行ってみたいのはニューヨークからは離れるんですが、スミソニアン博物館。日本に原爆を落としたあのエノラ・ゲイが展示されている有名な博物館です。前の消防旅行で知覧に行ってきましたが、アメリカではエノラ・ゲイがどのように評価されているのか、非常に気になります。

また、アメリカでITというと、西海岸のシリコンバレーが有名ですが、東海岸部にもいくつか有名な大学がありまして、その一つがボストンのマサチューセッツ工科大学(MIT)。実は大学の友人がMITのTシャツをおみやげに買ってきてくれたんですが、その後はからずも体が成長してしまい、今ではパッツンパッツンの上におヘソが出ちゃうようになりました。orz ので、もう少しゆったりめの服を買い直そうと思います。

あと、計算機屋なら誰だって見てみたいのは世界初の「汎用型」コンピュータ “ENIAC”ですよね。

 

 

祖国ハンガリーに侵攻するナチス軍に抵抗するために、アメリカに亡命していたフォン・ノイマンはこのENIACの後継機種EDVACの設計・開発に積極的に貢献したというエピソードがあります。この頃、計算機の主な利用用途といえば、真っ先に軍事目的でした。

インターネットも元々は、合衆国に散在する大型コンピュータ同士をリンクして、どこか一ヶ所が核攻撃を受けても他のマシンで対応できるように、という方針のもと整備されました。それが大学機関同士を結び研究者に開放され、その後商用サービスとして企業が提供できるようになり、一般市民も利用できるようになった、という経緯があります。

また、プログラマにとって恥ともいえる「バグ」の語源は、このころのコンピュータでは真空管が多用されており、その光と熱に集まった蛾が、故障の原因になることが多く、その蛾をさして「バグ(虫)」というようになった、という説もあります。

ちょっと離れたニューヨーク「州」には IBM本社がありますし、計算機屋としての見どころはアメリカ東部にもいろいろあります。

コンピュータの歴史を知るという意味では、大変面白い旅になりそうです。

Excel 2003 で共有フォルダの .xls ファイルを開くのにものすごく時間がかかる件

未だMicrosoftプロダクツから脱却できない、しかも諸々の事情により、新バージョンに乗り換えることのできない皆様こんにちは。

弊社のあるクライアントから「ストレージサーバ内のファイルの開きが悪い」との報告を受け、この何日か原因を探っておりました。「悪い」ってのはどういうことかというと、開くのにものすごく時間がかかり、タイムアウトしてしまい、その結果としてExcelが落ちるということでした。

私のVirtualBox内では現象が再現できなかったため、わからずにいたのですが、今日客先でぐぐったら意外な原因であることが判明したのでお知らせしたいと思います。

こちらにあるように、この現象の原因は、最近配布された「Microsoft Office File Validation Add-in (OFV: Office ファイル検証機能)」にあるようです。実際、弊社の環境でもこのアドインをインストールした状態で、共有フォルダ内の .xls を開こうとしたらやはり「開きが悪」くなりました。

さらにM$らしいというか、上記ページに書いてあるレジストリの位置が間違っています。w 大丈夫か、M$ !

誤:HKEY_CURRENT_USER\Software\Policies\Microsoft\Office\11.0\

正: HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\11.0\

というわけで、この不具合を回避するレジストリを配布させていただきます。

OFV-fix.zip

OFV-fix.zip

 

ご注意! このレジストリを適用する前にバックアップを取ることを「強く」お勧めします。また、適用したことによる引き起こされた不具合・データ消失・その他いかなる損害についても、弊社は一切責任を負いません。適用はご自身の判断にて行ってください。

というか、M$の尻ぬぐいは勘弁して欲しいっす。。。みんなLinux使ってHappyになろうぜ!

クラウド/ソーシャル/スマホ時代のLUG(Linux Users Group)の意義って?

今回は地元ネタではなく一部知人に読んで欲しくてこんなエントリを書いています。詳しくない方にも理解しやすいように適宜解説を挟みます。

昔々、といっても10年くら前ですが、地域LUG(Linux Users Group)が日本各地で勃興した時期がありました。Linuxとは何か、というと、誰でも自由に(もちろん無料で)使え、ソースコードも公開されていて、改変も自由、という技術に詳しい者に取っては大変魅力的なOSのことです。(同じような方針で開発されているOSは他にもいくつかありますが、Linuxが一番普及しているでしょう)

で、そのLinuxに魅せられた人たちが、中央(主に東京)だけでなく、地方(主に都道府県単位)にも同好会を作ろう、という趣旨の元に立ち上がったのが「地域LUG」です。大学のあった草加から千葉に移り住んだ私も CLUG (Chiba Linux Users Group) の立ち上げ、運営に参加しました。

当時はITバブル(?)の真っ最中だったので、サーバー(インターネットの向こう側にあるコンピュータ)分野で高い信頼性を誇っていたLinuxは大変持てはやされていました。何より、私が前々職で何をやっていたかといえば、そのサーバーコンピュータを作ることでした。「作る」といっても、コンピュータの部品を組み合わせてモノを作るのではなく、出来上がっているハードウェアに必要なソフトをインストールし、顧客の要求にあったものにする、という作業が主になります。Webプログラミングは、どちらかというとその延長線上で始めたことで、故に特定の言語にこだわらず、あっちの言語を覚えてはこっちの言語もかじり、という感じで勉強してきました。まあ「狭く深く」というより「広く浅く」やってきたと言えばいいでしょうか。

それはともかく、CLUGでの経験はやっていて大変楽しく勉強になり、また何より貴重な人脈を得ることができました。具体的にはどういう活動をしていたか、というと

  • 自分のPCにLinuxをインストールすることができなくて困っている人のためのインストール大会
  • 各種勉強会
  • 幕張で行われたIT系の展示会と連動した大々的な飲み会(主催がCLUG)
  • 散発的に行われる、いわゆる飲み会w

などなど、まあ勉強半分親睦半分といった感じでした。もちろんそれなりの規模でやろうと思ったら、打ち合わせ・準備はしなければなりませんけれども、それはそれで、当時のコミュニケーション手段(メーリングリスト・IRC)を駆使して行ったりして、面白いものがありました。

しかしながら、時は移り、「ゆく河の流れは絶えずして しかももとの水にあらず。」 当時、(ネットの裏側で働く者の間では)あれだけ持てはやされていたLinuxも、それ自体が注目を浴びることは少なくなりました。というより、「あまりに普通になりすぎて、希少価値を失った」と言えばいいでしょうか。

例えば今、何かネット上のサービスを立ち上げるに当たり、サーバ用のコンピュータを購入し、Linuxあるいは他のサーバ用OSをインストールし、T1回線に繋ぎ、といったことをするでしょうか? 普通にWebサイトを立ち上げたいならWebホスティングを契約すればいいですし、ちょっと凝ったことをするならVPSを契約し、予め開発方針が決まっていてスケール性が重要視されるのであれば、クラウド上にサービスを構築するでしょう。いずれにしても、いわゆる「OSのインストール作業」を開発者が行うことは少なくなりました。

ネットの向こう側でなく、「目の前にある端末」の方ではどうでしょうか? ビジネスユースであればWindowsの入ったPCが今だに優勢でしょうが、Ubuntu Linuxなどは、初心者でも簡単にインストールできるようになっていますし、何より携帯端末OSとして目下iOSを追撃しているAndroidはLinuxをベースに作られています。つまり、DoCoMoのHT-03A, Xperia, Galaxy S/Galaxy Tab, AUのISシリーズ、そして私が使っているNexus Oneなどなどのスマートフォンを使っている人は、そう意識しているかは別にして、立派なLinuxユーザということになります。

そうそう、企業でよく使われているNASあるいは「パーソナルクラウド」と呼ばれる製品も、中に入っているOSはおそらくLinuxでしょう。そして、昨今の家庭に普通に置いてある薄型テレビのOSもLinuxになっていると聞いたことがあります。つまり、茶の間で笑点を見ているおばあちゃんもLinuxユーザ。w

そうなんです。今や我々が一時期躍起になっていたような普及活動をするまでもなく、Linuxは「当たり前」になってしまいました。その自由度・柔軟性・信頼性の高さの故に。「見よ、Linuxは遍在する。」 リーナス自身、「OSは誰からも見えない存在になるべき」と言っていますし。

さて、そこで提起したいのが、「地域LUGの存在意義」です。もちろん、「もう意味が無いからやめよう」というのが論旨ではありません。Linuxというキーワードの意味が希薄になった今、どうやって運営するのがいいのか、を考えたいと思うのです。まあ、もう少し早く気づけ、というツッコミは無しで。w

例えば、Webサイト。越後Linux Users Groupさんのサイト(Wiki)に各地域LUGサイトへのリンク集があります。チェックすると、事情はどこも似たようなものらしく、404 Not Found, NXDOMAINのオンパレード(笑)。また、サイト自体は存続していても、長らく更新されていなかったりで、残念な感じが漂います。かくいうCLUGも人のことは言えず、辛うじてメーリングリスト用のMXレコードは有効ですが、Webからアクセスできる情報はありません。

先ほど、Linuxそのものは脚光を浴びなくなった旨のことを書きましたが、インターネットそのものは衰えるどころか、そこに流れる情報量は益々増えつつあります。潮流としてはWeb 2.0、そしてSNS, Twitter, SBMなどのソーシャルメディアの発達はこの記事を読まれている方なら先刻ご存じのことでしょう。

もちろん、Webだけがネットではありませんが、LUGをコミュニティとして考えた場合、その「中の人」に注目を当ててもいいのではないか、と思います。その一つの手段として、ソーシャルメディアを利用し、参加者の ブログ、ツイート、ブックマーク をアグリゲートして見せる、というのもありなのではないかと考えます。まあ、その場合、Linuxに関係のない内容も載ることはあるでしょうけれども、そうした面も含めて「中の人」自体をコンテンツにすると考えていただければ。

でもね、分かってるんです。いくら「先進的な、管理しやすい、見た目もきれいな」サイトを作ったって、結局は各人のモチベーションが大事なんだって。そのコミュニティの活況というか臨場感というか勢いのあるなしというのは、どうしたって読み取られてしまうものです。私自身、企業のWebサイトを一見すれば、その会社がどんな感じか、だいたい分かります。それは、いくらデザイナーさんが一生懸命ピクセル単位のデザインにこだわっても、いくらプログラマがAjax/Flash使って使いやすいUI使っても、いくらSEO屋さんが被リンク数増やしても、わかるものなんです。

とりあえず、Webに関しては「私自身の実験・趣味」として再構築したいと思います。そっから先、どうするかは、古き良き時代に行われていたように、飲みながらでも考えましょう!

今さら聞けない「スマートフォンって何がいいの?」講座

日々携帯で悪さをしている、不良大人の皆さまこんばんは。w

最近、各種メディアでも話題になっているスマートフォン、私の周囲でもだいぶ見かけるようになりました。でも、使っているのはまだ比較的ITスキルの高い、「ニイモン好き」な方々に限られるようです。このブログをお読みの方にはそうでない方も多いと思い、差し出がましくもこんなエントリを書いてみました。

さて、そのスマートフォン、略してスマホですが、一見すると

  • バッテリーの持ちが悪い
  • ワンセグが見れない
  • お財布ケータイ機能がない(最近の機種にはついているものもある)

など、「むしろ不便なんじゃないの?」と思われるような短所があります。じゃあ何が嬉しくて使うのか?

鍵は、これまた最近話題の「クラウド」との連携にあります。例えば、メール。

普通、メールというと相手から送られてきたメールはすぐに携帯に入り、読めるようになります。でも、その携帯をなくしたり壊してしまったら? 最近、両国辺りでは携帯がよく壊れるようですが、そうなったら専門の業者に頼まないとデータを復旧できません。それも運がよければの話で、できない場合だってあるでしょう。

でも、メールをクラウドに置きっぱなしにしておき、必要な都度、スマホやパソコンから見るようにしておけば、そのクラウドの設備が壊れない限り、データが失われることはありません。私の場合、自分宛てのメールは過去8年間分をGoogleのクラウドに預けてあります。その容量は、というと、約2.7G。仕事柄、大きめのファイルを受け取ることもありますし、メールの総数もかなりのものになります。その私でも8年で3Gいきません。Googleの場合、無料で7Gまで使えますから、まだまだこの先も余裕はあります。そしてGoogleといえば「検索エンジンの会社」ですから必要なメールを検索することだって楽勝です。

「でも、Googleのクラウド設備が壊れることはないの?」と思われた方、その考察は鋭いものがありますが、あなたの携帯が壊れる確率と、Googleがヘマをする確率、どちらが大きいと思いますか? 弊社ならいつ潰れてもおかしくないでしょうが、天下のGoogleはアメリカ国内はもちろん、世界各所にデータセンターがあり、メールのデータも分散して持っています。(日本にもあるらしいです。)なので、もしどこかのデータセンターが壊滅しても、あなたのメールは他の設備に保管されているでしょう。「でしょう」としか言えないのは私はGoogleの内部でどう管理されているかを知る立場にないからです。

「ってことは、俺orわたしのメールをGoogleに盗み読みされちゃうの?」 規約上、そういうことはしない、とGoogleは謳っていますが、まあしようと思えばできちゃいますよね。が、一個人、あるいは中小企業の持つ情報にGoogleがどれだけ注意を払うでしょうか? あなたが、浮気相手に送ったメールをGoogleが盗み読みして、奥さんに告げ口するというのはありうるシナリオでしょうか?

クラウドによるサービスを展開しているのは、Googleに限りません。私はあまり使いこなしていませんが、Evernoteというサービスもあり、ウェブ上で見つけた記事、スキャナで取り込んだ本をまるごと一冊、あるいはもちろんちょっとしたメモをクラウド上に置けるようになっています。これも例えば、出先でふと思いついたアイデアをEvernoteにメモしておき、後でゆっくりPCを使って検討する、とか、Webからは消失することも多い有意義な情報をEvernoteに取り込んでおき、自分のものとして保管する、などといった使い方ができます。

文字情報に限らず、写真はどうでしょうか? これもスマートフォンで撮った画像をFlickrなどの写真共有サービスにアップロードしておけば、半永久的に失われることはないでしょう。(最近、人為ミスで数千枚を消してしまったケースがありましたが、これはあくまでレアな事故です)

そうそう、携帯電話といえば、何より大切なのが「電話帳」のデータですよね。機種変したら、データが消えていて泣く泣くもう一度登録しなおした、なんて人は多いのではないでしょうか? これもクラウドと常に同期しているスマホなら大丈夫。私の電話帳は約500件のデータが入っていますが、これもクラウド上にもありますし、もちろんスマホにも入っています。パソコンから登録しても、スマホから登録しても常にデータは同期されています。

スマートフォンというと米アップル社製iPhoneが有名ですが、私自身はGoogle発のAndroidケータイ(メーカー・キャリアはいろいろ)を使っています。その理由はいろいろありますが、一番重視しているのが、アップルが「パソコン屋」さんなのに対して、Googleは「ネット屋」であることです。つまり、前者はMacintoshやiPhone, iPadなど、ハードウェアを売ることを重視しているのに対して、後者はネットワークとの連携をサービスの主眼にしています。ハードウェアのイノベーションそれ自体は、私も功績と認めるにやぶさかではありませんが、より重要なのは、ネットワークやソフトウェアだと思うのです。それに、アップルはあらゆる面でクローズド(非公開主義)なのに対し、GoogleはAndroidというOSそのものをオープン(誰でも使えるし、誰でも改変可能)にしています。この自由度の差も、一介の技術者としては考えないわけにはいきません。懐かしいところでは、昔ビデオテープの規格にベータとVHSがありましたが、SONYのベータは他の面でVHSに優っていたのに対し、ビクターのVHSは仕様を他社にも公開していました。結局、どちらの方が市場を席巻したかは、このブログをお読みの皆さまならご記憶ではないでしょうか。

まあ使う側にとってみれば「便利に使えた方がいい」というのはもっともなのですが、開発者としてどちらに食指をそそられるかと言えば、やはりAndroidです。そして、そうしたアーキテクチャ(技術基盤)の方が、勝利を収めてきたことは常に歴史が証明しているところです。

iPadに触ってきました

普段、twitter でも実生活でもお世話になっている「色彩の魔術師」さんがiPadを購入されたとのことで、早速お邪魔して実際に触ってきました。

まあ業者なら自分で買えよって感じですが、そこは普段から

世界一儲かっていないIT企業

と自他ともに認められているところですから、ご勘弁を。

んー確かに新聞や雑誌のビューア、あるいは書籍を読むんだったら秀逸ですね。でもそれだけじゃ勿体ないハードでもあります。

私は「何に使うか」を考えてからモノを購入するようにしているので、ちょっと自分的なキラーアプリが思い浮かびません。よってまだ購入する予定はないです。

ただ、Bluetoothキーボードが使えるようなので、それとの組み合わせで業務につかえるかもなぁという気はしています。

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