今さら聞けない「スマートフォンって何がいいの?」講座

日々携帯で悪さをしている、不良大人の皆さまこんばんは。w

最近、各種メディアでも話題になっているスマートフォン、私の周囲でもだいぶ見かけるようになりました。でも、使っているのはまだ比較的ITスキルの高い、「ニイモン好き」な方々に限られるようです。このブログをお読みの方にはそうでない方も多いと思い、差し出がましくもこんなエントリを書いてみました。

さて、そのスマートフォン、略してスマホですが、一見すると

  • バッテリーの持ちが悪い
  • ワンセグが見れない
  • お財布ケータイ機能がない(最近の機種にはついているものもある)

など、「むしろ不便なんじゃないの?」と思われるような短所があります。じゃあ何が嬉しくて使うのか?

鍵は、これまた最近話題の「クラウド」との連携にあります。例えば、メール。

普通、メールというと相手から送られてきたメールはすぐに携帯に入り、読めるようになります。でも、その携帯をなくしたり壊してしまったら? 最近、両国辺りでは携帯がよく壊れるようですが、そうなったら専門の業者に頼まないとデータを復旧できません。それも運がよければの話で、できない場合だってあるでしょう。

でも、メールをクラウドに置きっぱなしにしておき、必要な都度、スマホやパソコンから見るようにしておけば、そのクラウドの設備が壊れない限り、データが失われることはありません。私の場合、自分宛てのメールは過去8年間分をGoogleのクラウドに預けてあります。その容量は、というと、約2.7G。仕事柄、大きめのファイルを受け取ることもありますし、メールの総数もかなりのものになります。その私でも8年で3Gいきません。Googleの場合、無料で7Gまで使えますから、まだまだこの先も余裕はあります。そしてGoogleといえば「検索エンジンの会社」ですから必要なメールを検索することだって楽勝です。

「でも、Googleのクラウド設備が壊れることはないの?」と思われた方、その考察は鋭いものがありますが、あなたの携帯が壊れる確率と、Googleがヘマをする確率、どちらが大きいと思いますか? 弊社ならいつ潰れてもおかしくないでしょうが、天下のGoogleはアメリカ国内はもちろん、世界各所にデータセンターがあり、メールのデータも分散して持っています。(日本にもあるらしいです。)なので、もしどこかのデータセンターが壊滅しても、あなたのメールは他の設備に保管されているでしょう。「でしょう」としか言えないのは私はGoogleの内部でどう管理されているかを知る立場にないからです。

「ってことは、俺orわたしのメールをGoogleに盗み読みされちゃうの?」 規約上、そういうことはしない、とGoogleは謳っていますが、まあしようと思えばできちゃいますよね。が、一個人、あるいは中小企業の持つ情報にGoogleがどれだけ注意を払うでしょうか? あなたが、浮気相手に送ったメールをGoogleが盗み読みして、奥さんに告げ口するというのはありうるシナリオでしょうか?

クラウドによるサービスを展開しているのは、Googleに限りません。私はあまり使いこなしていませんが、Evernoteというサービスもあり、ウェブ上で見つけた記事、スキャナで取り込んだ本をまるごと一冊、あるいはもちろんちょっとしたメモをクラウド上に置けるようになっています。これも例えば、出先でふと思いついたアイデアをEvernoteにメモしておき、後でゆっくりPCを使って検討する、とか、Webからは消失することも多い有意義な情報をEvernoteに取り込んでおき、自分のものとして保管する、などといった使い方ができます。

文字情報に限らず、写真はどうでしょうか? これもスマートフォンで撮った画像をFlickrなどの写真共有サービスにアップロードしておけば、半永久的に失われることはないでしょう。(最近、人為ミスで数千枚を消してしまったケースがありましたが、これはあくまでレアな事故です)

そうそう、携帯電話といえば、何より大切なのが「電話帳」のデータですよね。機種変したら、データが消えていて泣く泣くもう一度登録しなおした、なんて人は多いのではないでしょうか? これもクラウドと常に同期しているスマホなら大丈夫。私の電話帳は約500件のデータが入っていますが、これもクラウド上にもありますし、もちろんスマホにも入っています。パソコンから登録しても、スマホから登録しても常にデータは同期されています。

スマートフォンというと米アップル社製iPhoneが有名ですが、私自身はGoogle発のAndroidケータイ(メーカー・キャリアはいろいろ)を使っています。その理由はいろいろありますが、一番重視しているのが、アップルが「パソコン屋」さんなのに対して、Googleは「ネット屋」であることです。つまり、前者はMacintoshやiPhone, iPadなど、ハードウェアを売ることを重視しているのに対して、後者はネットワークとの連携をサービスの主眼にしています。ハードウェアのイノベーションそれ自体は、私も功績と認めるにやぶさかではありませんが、より重要なのは、ネットワークやソフトウェアだと思うのです。それに、アップルはあらゆる面でクローズド(非公開主義)なのに対し、GoogleはAndroidというOSそのものをオープン(誰でも使えるし、誰でも改変可能)にしています。この自由度の差も、一介の技術者としては考えないわけにはいきません。懐かしいところでは、昔ビデオテープの規格にベータとVHSがありましたが、SONYのベータは他の面でVHSに優っていたのに対し、ビクターのVHSは仕様を他社にも公開していました。結局、どちらの方が市場を席巻したかは、このブログをお読みの皆さまならご記憶ではないでしょうか。

まあ使う側にとってみれば「便利に使えた方がいい」というのはもっともなのですが、開発者としてどちらに食指をそそられるかと言えば、やはりAndroidです。そして、そうしたアーキテクチャ(技術基盤)の方が、勝利を収めてきたことは常に歴史が証明しているところです。

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