こんにちは、最近IT屋らしいことは仕事でしかしていない高梨です。
以前、マフラーにアルミ巻いたり、スプロケット交換したりした弊社公用車 ホンダスーパーカブですが、あともうひとつやってみたいことがありました。それは・・・
カスタムペイント、つまり、全塗装!
ネットを漁ると、皆さんそれぞれ苦労しながらも、工夫してやっていらっしゃいます。高価なウレタン塗料使ったり、安価なアクリルスプレー使ったり、業者さんに依頼したり、ほとんど全部バラしたり、あまりバラさず、マスキングでしのいだり・・・。
ただ、ですね、普通、自前の全塗装というと、既製のスプレー缶、よくDIY店で見かけるやつを使う場合が多いようなんですが、私は敢えてここをオリジナルな色にしたかったんです。というのは、当初「ジャーマングレイ」(↓こんな色)という色にしたかったんです。
第二次世界大戦でドイツが飛ばしていたメッサーシュミットっていう戦闘機が、これよりはだいぶ明るいんですが、まあそんな色なんだったんですね。カブといえば両脇のレッグシールドがイメージ強いですし、じゃあそれを主翼に見立てて・・・などと妄想しておりました。
でも、既製のスプレー缶でこの色だと、プラモデル用の小さな缶(100ml)しか売ってないんです。orz きっとそれだけじゃ塗りきれないし、何本も買わなきゃいけないだろうし・・・。
とはいえ、「世界一儲かってないIT企業」を自称する弊社にエアコンプレッサーとエアガンを購入する余裕があるわけもありません。板金業始めるならそれもいいでしょうが、素人の趣味でそこまでお金をかけるのはお金かかりすぎです。
・・・と、長いこと煩悶していたわけですが、ある日、カ◯ンズ鴨川店で補修用塗料をスプレーとして使うためのノズルがあることに気づきました。
実は、私、以前車の擦り傷を補修するのにこれを使ったことがあるんです。そのときは正規の使い方、つまり、タッチアップ塗料を吹きつけるのに使ったんですが、「これ、自分で作った塗料をスプレーするのにも使えるんじゃね?」と思いつきました。
さらに、専用のエアー缶じゃなく、PCの清掃などに使うエアーダスターをこれにつけられないか?と考えました。なんせこのキャップとエアー缶のセットは80mlしかないのに800円くらいします。そこへ行くとエアーダスターは300ml で300円しません。
というわけで、このキャップと汎用エアーダスターを組み合わせて、試しに水を吹いてみたときの動画がこれ↓
お、いいんじゃないの? 吹いているのが水なので、ちょっとわかりにくいかもしれませんが、良好にスプレーできています。じゃあ今度は水の代わりに塗料を吹いてみればいいわけです。
近所で安価に少量購入できる塗料というと、外壁用の油性ペンキになります。まあアクリル塗料には違いはないし、錆止め剤も配合されてるし、バイクに使っても問題はねっぺ、と考え、調色してみた結果がこちら↓
あれ?ジャーマングレイじゃないじゃん! そうなんです。実は、途中で気が変わりまして、三国志に出てくる名馬「赤兎馬」路線で行くことにしました。日に千里を往くと言われ、呂布そして関羽が乗ったというあの赤兎馬です。乗ってる本人がどっちかつーと張飛っぽいのが残念な感じではありますが・・・。
ただ、その路線で行くにしても、調色しなければならないことに変わりはありません。なぜって赤いカブといえば、
郵便屋さんが乗っているバイク
のイメージが圧倒的に強いからです。赤といっても、真っ赤ではなく、ちょっと馬っぽい感じを出したかったわけです。
そして、これをうすめ液で適当に薄め、試しに空き缶を吹いてみた結果がこちら↓
イケてる!ちゃんと塗れてるじゃん!人生には「勝利を確信する瞬間」が何度か訪れることがありますが、この一部朱色に染まったマッ缶を見て、それを感じましたね!前から思ってたけど・・・
ひょっとして、俺、天才じゃね?www
ま、そんな自惚れはともかく、どうやらこれで「どうにかできるだろう」という雰囲気になってきました。後は作業期間と予算の確保、です。
しかし、そうこうしているうちにも祭りが近づいて来ました。んー、どうしようかなぁ。早くやりたいなぁ、よしやっちゃえ!Σ(゜◇゜;)マジデッ!? と思い切って、こともあろうに宵祭りの日(7月27日)に、サイドカバーから塗ってみました。これならネジ1本抜くだけで外せますし、試し吹きするにはいいパーツです。ただサイドカバーは、鉄ではなくプラスチックなので、一度プライマーというものを塗って下地を作ってから塗料を塗るという工程を経ました。
おー、いいんじゃなーい? 光の加減で実際とは色味が違っていますが、塗装の素人が吹いたにしては、充分綺麗に塗れています!ここで思ったのが自前塗料のほうが、既製のスプレー缶よりもむしろ塗りやすいこと。塗料が固めなせいか、タレもすくなく、厚塗りもできます。(でも、その分きっと密着度は落ちてると思います。)
とりあえず、祭りの期間中に塗るのはサイドカバーだけにしておいて、分解工程に入ることにしました。必要な工具は揃えてありますし、バラすのは簡単なのですが、気をつけなければならないのは、再び組み立てられるようにネジやパーツを整理し、過程を覚えておくこと。本当は場面々々で写真を撮りたかったところではありますが、なんせ手は汚れてるし、気はせいているしで、残念ながら分解写真は撮りませんでした。
よく言われていることですが、塗装するのに一番肝心なのは「下地づくり」です。私の場合、以下のような方針でやりました。
- 不必要に分解しない。
本来であれば、エンジンやハンドルも取り外して、フレーム・タンク・スイングアーム・フロントホーク・レッグシールド…などなどと分けて塗らなければならないのでしょうが、さすがに私もエンジンやキャブを外して、元に戻せるかまでは自信がありませんでした。なので、できるだけフレームにパーツを残した状態で、バラせるだけバラし、難しかったらマスキングして塗料がかからないようにしました。 - 鉄部(フレーム)は、600番の紙やすりで足付けし、直接塗料を吹く。前の塗料(深緑)の上から塗り潰しました。
- プラスチック部(サイドカバー・フロントフェンダー・レッグシールドなど)は、紙やすり > プライマー > 軽く紙やすり > 塗料塗布 という工程を取りました。
- 本体が赤系なので、レッグシールドも色を変える。 〒車との差別化です。これは正確にはポリエチレン製なので、素人にできるかどうか・・・。
そんなこんなで塗装もだいたい終わり、仮組みしてみたときの写真が以下です。
まあまあいいとは思いますが、やはりレッグシールドが綺麗に塗れていません。左側の曲がった部分がブツになっています。やっぱポリエチレンは手強いです・・・。
で、塗りなおそうと思い、余計なところをいじらないようにマスキングテープ貼ったら、テープに塗料がくっついてペリペリ剥がれてしまいました・・・OTZ 下地作ろうとサンダーがけしたら、今度は凸凹になっちゃうし・・・。「ええいもう面倒くさい!塗れぬなら、切ってしまえ、レッグシールド!」と半ばブチ切れ、サンダーでガーッと切っちゃいました。
「レッグシールドはカブの顔」なのは重々承知していますが、こんなに↓汚くなっちゃったし、仕方ないよね。ゴメンよ、本田宗一郎さん。
失敗はそれだけではありませんでしたが、何とか塗り終わり、チェーンカバー以外を組み付け、試乗しました。若干ハンドルのセンターがあっていなかったり、チェーンの調整が必要だったりはしましたが、なんとか走れる状態にはなりました。奇跡的にも余ったネジはありませんでした。w
某、試乗中、某ファ◯マで撮った写真が以下。
んー、我ながらいい色です。w よく見れば塗り忘れとかあるんですが、まあ、後で補修すればいいし。
そんなわけで、なんとか自前カスタムペイントに成功することができました!かかった費用を計算したら、なんと、1万円以下もかかっていませんでした。もちろん時間や手間はかかりました。自宅脇で作業中、どれだけ蚊にくわれ、また、カンカン照りの日差しの下、どれだけ熱中症でぶっ倒れそうになり、塗装中、突然の雨に泣きそうになったことだどれだけあったか・・・。でも、正直言って苦にはなりませんでした。自分のやりたいことをしているわけだし、楽しいし。「プロ並の仕上がり」というわけではもちろんありませんが、自分的には非常に満足しています!
最後になりましたが、塗装方法についてアドバイスいただいた、S藤塗装のM彦さん、「赤がいいよ!」と決断を促してくれたO太酒店のT朝さん、何より、ネット上で挑戦記をつづり、参考になる情報をいただいた先人の皆様、本当にありがとうございました。m(__)m
ミッキーマウスみたいで可愛い
このエアータッチのキャップに付いてるのは醤油差し?