既にご存じの方も多いと思いますが、
とうとう、鴨川市内全域に光ファイバー開通の見込みが立ちました!!!
この日をどんなに待っていたことか・・・。思えば2008年、自前サーバを立ち上げるからには光が欲しいよなぁ、じゃあ光を開通させればいいんじゃね?と少々無謀な思いつきから、Project Lumineakとして、地元である旧天津小湊町地区への光ファイバー誘致を始めました。
ただ、諸般の事情あって、そちらの活動は長らく休眠しておりました。ご期待いただいていた方には大変申し訳ございません。
弊社が回線申し込みを扱う代理店となっていたことで、「結局は金のためか」「小利のために大義を見失っている」などなど、ご批判をいただいたことも事実です。もちろんそのようなご批判は想定しておりましたし、それもそれで正しい見方であることは否めません。ただ、弊社は何よりも「営利企業」なのです。これは、「金にもならないことについつい血筋をあげてしまう」クセがある自分へ言い聞かせるために営利企業というものを持っている、というスタイルでもあります。
さて、つまらない経営哲学はおいといて、光が通ると地域社会はどう変わるか?これはちょっと思いつくだけでも様々な応用が考えられます。
山村地区に多い空き家への住民誘致
天津地区にも、四方木・清澄地区という、過疎化地域があります。(当該地区の方、失礼とは思いますがお許しください)
一方、都市部には団塊の世代で田舎暮らしに憧れる方も沢山います。では、なぜこの人たちは鴨川に引っ越して来ないのか?理由は様々でしょうが、一つには都会のような情報インフラが整備されていないからだ、とよくお聞きすることがあります。
空き家、または空き家同然になっている家屋は沢山ある。地代もおそらくは安い。そこに最新の高速情報インフラが引ければ、もうそれだけで魅力的な田舎暮らし物件になるでしょう。都市部あるいは、日本国中の友人と自由に連絡でき、かつ田舎ならではの暮らしも堪能し、もしかしたら、鴨川にいながらにして仕事ができる、という生活さえ不可能ではありません。
クラウド型ビジネスの促進
世の中、クラウドビジネスが真っ盛りです。クラウドビジネスというのは、要するにネットの向こうにある仕組みで商売を動かす、ということです。実際私の知っている企業でも、全社的に業務をクラウド化したものの、貧弱なADSL回線のため、利用にストレスを感じている、とのお話を聞いたことがあります。
また、支障ない速度が出る地域でも、今後クラウドに依存した業務形態に多かれ少なかれ移行していくはずです。弊社とて例外ではなく、当初自宅で動かしていたシステムをクラウド上に置き、電気代をかけることなく比較的安価な運用コストでサービスを提供しています。
こういった業務形態において、高速な情報インフラは必須です。田舎には似合わないという向きもあるかもしれませんが、ITの威力を存在原理とする弊社としては、ぜひとも推進したいところです。
遠隔地の家族・知人との、コミュニケーション向上
私の妹家族は栃木に住んでおり、甥っ子と私の両親で行うビデオミーティングは我が家の夕食後の恒例行事になりつつあります。(もちろん本人は「ビデオミーティング」などとは言わず、「ばあちゃんとモシモシやるー」と言っているのですがw)
双方がオンラインでリアルタイムに話をするのも楽しいのですが、例えば、義弟が撮影した運動会の動画をこっちに送ってもらう、などということも、これまでよりストレスなくできるようになります。
今までは回線速度が制限となって、ビデオレターの類は難しかったのですが、それも充分楽しめる可能性が生まれました。
・・・さて、ここまでは結構ありきたりですぐできるお話でした。地域に根ざしたIT企業を標榜する弊社としては、もう少し妄想を逞しくしてみたいところです。
地域の催事・祭礼のリアルタイム中継
地元の青年団に入れさせていただいて、もう7年くらいになりますが、天津の祭りは文句なく素晴らしい行事だと心底思います。どっちかというとマジメ君だった若い頃はその良さがわかりませんでしたが、青年に入って、地域の人が協力しあい、知恵を出しあい、祭りを最高のものにしようと歯を食いしばる姿、子供たちやご近所の方の笑顔を目の当たりにするにつけ、「ああ俺はこんな素晴らしいものをないがしろにしていたのか」と嘆息するばかりです。
そして、この魅力を少しでも多くの人に伝えようと、半ば勝手に撮影した動画をYouTubeにアップロードしたのが2008年。その後、私の真似をして、私の他にも動画を投稿する人が出てくるようになり、そこそこ好評を博しているようです。祭りの動画アップはすでに定着した感があります。
そこで!
もう一歩進めて、今度は、これを生放送できないものでしょうか? 全市的に光ファイバーというインフラはあります。ustream やニコ生放送というライブ放送のためのサービスもあります。ならば、あとはそれなりの機材と人材さえ確保できれば可能なはずです。
実際、ねぶた祭り、各地花火大会では ustreamを利用して生中継している例もあります。その意味で初の試みとは言えませんが、鴨川の天津(という小さな地域)が ustream で祭礼を生放送する、というのは話題性も期待できるのではないでしょうか?クオリティが高くなくても、小さな地域がやっている、ということに意義があるのだと思いますがどうでしょう?
WiMaX, LTEがエリア外なら全市でWiFi使えるようにすればいいんじゃね?
都市部の若年層は、もう完全にガラケーからスマートフォンに移行した感があります。彼らはすでに、「ただ接続できる」では飽きたらず、「ネットが速く繋がる」高速回線を必須としています。そのためのサービスがLTEやXiなどであるわけですが、いわずもがな、当地域はまだまだ「エリア外」の情況が続くでしょう。
ならば!
各家庭、道路沿いの家屋に「全市共通のアクセスポイント」を設置し、自由に使ってもらう、というのはどうでしょう?あまり縛りをゆるくすると、悪用される恐れもありますので、ある程度本人確認が取れる形が望ましいでしょうね。いつ、どこで、誰が使ったかを可能な限り正確に記録できる仕組みが必要です。
私は都内で光回線に接続されたWiFi(無線LAN)を使った経験があるのですが、ボトルネックになっているのは、無線の速度ではなく、元の回線だ、と実感しました。つまり、ADSL下のWiFiよりも光下のWiFiの方が、速く感じられたのです。
無論のこと、LTEなどのガチ無線サービスとは違い、対応エリアは限られざるを得ませんが、まあ道路沿いでだいたい使えるとなれば許容範囲ではないでしょうか?
実現するには、ちょっとの技術とちょっとの資本と、住民皆さんの協力が必要ですが、やってみる価値はあると思います。やるとしたら KamogaWiFi (カモガワイファイ)なんて名前はどうでしょう。
IT合宿・勉強会の誘致
これは、私オリジナルのアイデアではなく、都心の仕事仲間からよく提案されるものになります。
今、都内では毎週のようにITに関する勉強会が開かれています。最新の動向を知るためとはいえ、参加するには時間も運賃もそれなりにかかってしまう私としては、ため息をつきながら脇目で見ているしかなかったのですが、逆にその勉強会を鴨川で開けばいいじゃないか!との発案をうけ、おそらくは天津史上初めてのIT勉強会を去年の、よりにもよって震災の不安が残る4月23日に開催しました。
来ていただいた方のご協力、そして会場を提供していただいた旅館さんのご好意により、人数こそ14人と少ないながら、大変楽しい時間を過ごすことができました。何より、私自身、地元でも勉強会が開催できるんだ、という確信を得た貴重な体験でした。
勉強会に限らず、「合宿」と称して、都心部のIT企業が田舎に泊まりこみ、豊かな自然環境の中で社内勉強会を数日にわたって催すことは、一般的になりつつあります。有名な例では、TV難聴対策として全県域に光ファイバー網を整備した徳島県には、大阪や京都などからの「IT合宿」が人気を博しています。
IT企業に勤めるような人は、普通の人以上に「ネットに繋がる」ことを渇望、というか、ネットがないと生きていけない人種wですから、鴨川全域で光ファイバーが使えるとなれば、IT合宿や勉強会にはもってこいでしょう。波の音を聞きながら眠りにつけば、次の朝素晴らしいアイデアが生まれることは請け合いです。(ほんとか
少々嫌らしい話ですが、昨今ITは唯一といっていいくらいの花形産業で、平たくいうとお金を使うことにあまり抵抗がありません。つまり、安くてまずいもの、よりは、高くてもうまいもの、を食べたがります。サービスにしてもしかり。ですから、優良顧客の筆頭候補といってもいいでしょう。数は少なくても、いいサービスを提供すれば、贔屓にしてもらえる可能性は充分あります。
・・・などなどと、半ば妄想、半ば本気なご提案をしましたが、光ファイバー開通は地域が躍進する小さくないチャンスだと考えています。ご意見・ご感想などありましたら、お気軽にお寄せください!