地域SNSをやろうとするときに、必ずといっていいほど取り上げられる目的のひとつが「地域のコミュニティ作り」というものです。まあそれ自体、意義のないことではないとは思いますが、これについてちょっと考えてみたい。
「コミュニティ」をどう定義するかにもよるでしょうし、地域によっても異なるのかもしれませんが、私が思うに、地方はすでに「コミュニティで一杯」です。いろいろな人がいろいろな目的を持っていろいろなことをしている。会議所、商工会、観光協会、各種組合、青年、消防、ボーイ・ガールスカウト、その他ボランティア団体を挙げていけば、鴨川市内だけでいくつあるのか見当もつきません。
で、そこに敢えてこれ以上「コミュニティ作り」をする必要があるか、と思うわけです。SNSでできることはせいぜい「既存コミュニティの連絡のお手伝い」くらいなのではないかと。
現実的な人間関係が希薄な都会では「コミュニティ作り」も意味があるでしょう。同じ趣味や嗜好を持つもの同士で集まるのも、それはそれで楽しいと思います。が、既に濃密な人間関係が築けている(であろう)地方で、あまり「コミュニティ作り」は必要ないんじゃないかと思うんですよね。
ただ、IT屋の目からみると、そういうせっかくのコミュニティが、コミュニケーションの不足が原因でうまく機能していなかったり、もっと面白いことができるのに、という場面は多々出くわすわけです。今の時代通信コストなんて限りなくタダに近づきつつあるのに、勿体無いなぁとよく思います。
そういう視点からのSNSはアリだと思うんです。携帯でも使える簡易MLとして使ってもらう。携帯のメーリングリストって意外に作りづらいですしね。商用利用もOKということにして顧客との連絡手段としても使ってもらってもいいかもしれません。