「アラブが見た十字軍」読中レビュー

恥を忍んで言いますが、高校のとき、社会はいつも赤点ギリギリでした。特に世界史はひどかった。こっちであれやこれやが起こっている一方で、あっちで起こっているあれやこれやまで覚えなければなりませんから、ほとんど脳みそパンク状態です。

が、その反動からか、最近、歴史小説、特に外国の歴史について書かれた本にハマッています。塩野七海さんの「ローマ人の物語」とかはハードカバーが出るたびに金に糸目をつけず買っていました。

ただ、気をつけているのは、一方の歴史観に染まらないこと。ガリアを征服したカエサルは確かに偉大でしたが、一方で征服された側の視点というのもあるだろうな、と思って佐藤賢一さんの「カエサルを撃て!」も読みました。どちらも「物語」ですから多分に著者の思い入れがあり、それを承知で読む分には非常に参考になります。

さて、今回読んでいるのは市の図書館で借りてきたアミン・マアルーフ著/牟田口義郎・新川雅子訳「アラブが見た十字軍」です。

これに出てくるフランク(フランス)軍というのがひどい。征服したイスラムの地の財宝を略奪するのは大目に見るとしても、 ムスリム(イスラム教徒)の人肉まで焼いたり茹でたりして食べたというのですから、ほとんど食人鬼集団です。

今でこそヨーロッパ文化の顔みたいな、優雅で洗練された文化を誇っているフランスですが、1000年くらい前にはただの蛮族、それも相当狂気じみた民族だったということがよくわかります。

これはなにもフランク族に限ったことではなく、ブリタニア(現イングランド)では戦って勝った相手の生首を家門にかけて悪魔祓いのしるしとしていましたし、中国では籠城が長引いて糧食が底をつくと、子供を殺して食べることが普通に行われていました。首仮族や食人種は、なにも南洋の専売特許ではありません。

だから人種の坩堝である米国で凶悪な犯罪が頻発しているとしても、何も不思議なことはありません。あれは全てご先祖の血がそうさせているのです。

あまりプロトタイプを植えつけるのはよくないかもしれませんが、ヨーロッパ人だからといってゆめゆめ先進的で優雅だなどと思うことのなきよう。一皮剥けばその正体は首狩族・食人鬼の末裔なのですから。

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