ユーモアについて

ユーモアやジョークについて大真面目に語るというのもかなり興ざめな気もしますが、まあお暇でしたらおつきあいください。

さて、私は冗談やシャレを飛ばすのが大好きです。もちろんウケないこともままあるのですが、うまく笑いを取れたときには心の中で快哉を叫び、一人悦に入っています。

もちろん人を笑わせることそのこと自体も好きなのですが、なぜそうするかと問われれば、「ユーモアは人が人にできる最小の奉仕」だと思っているからです。

もう10年も前のことになりますが、私の従姉がガンに冒され、県立ガンセンターに入院したことがありました。その従姉は、身内びいきを差し引いても、美人で愛想がよく、皆に好かれる存在で、もちろん私も大好きでした。全てを奪う最終病魔が彼女の体内に見つかったのは、結婚して子供が生まれ、これから幸せな生活が始まる、と誰もが思った矢先のことでした。ご存知の通り、若いうちのガンというのは進行が早く、私が見舞ったときには髪の毛も抜け落ち、骨と皮ばかりになってしまっていました。

病室で彼女に会ったとき、私は一瞬かけるべき言葉を見失いました。だってそうでしょう、死が目前まで迫っているのは従姉だってわかっています。もうすぐ家族、友人、全ての人、全ての存在に別れを告げて去って行かなければならない者に向かって何と言ってあげればいいかなんて、誰がわかるでしょうか。

内心泣き出したい気持ちをぐっとこらえ、私にできたのは、従姉の昔のエピソードを交えながらからかい倒して涙が出るほど笑わせることでした。「お姉ちゃん、昔こんなことしたよねぇ」「あのときはたまげたねぇ」

それからまもなく従姉は亡くなりましたが、ベッドの上で笑い転げていたあの一瞬、つらい現実を忘れさせてあげることができただろうかと時々思い返しています。きっとできたよね、アッコ姉ちゃん。

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