国の違いを実感するには

私は元々異文化大好き人間なので、日本から一歩も出たことがないにも関わらずいろいろな国の外国人とつきあいがあります。中国・韓国・イギリス・ア メリカetc… 国際人を気取るつもりは毛頭ありませんが、田舎暮らしをしていることを考えればまあまあ頑張っているほうではないでしょうか。

そんな私が最近不思議に思っていることがありまして、というのは「中国人はアメリカ人はいったい歴史の授業をどの辺りから始めるんだろう?」という ことです。商(殷)・周・秦・漢・・・と中国の統一王朝を覚えている人も多いかと思いますが、仮に商からだったとして、今調べたら「紀元前17世紀頃か ら」始まった国だそうです。紀元前17世紀ですよ。今からざっと3600年前ってことです。考古学上の実証は完成を見ていませんが、その前に夏(か)とい う王朝の実在性もかなり高くなっているとのことで、となると中国の歴史は紀元前2070年頃、今からほぼ4000年前から始まることになります。

唖然。皆さんが覚えている日本史で一番古い年号は何ですか?「無事故(645)で終わった大化の改新」じゃないでしょうか。私もそうです。で、そ れってたかだか今から1365年前のことです。まあ大化の改新が日本の始まりとは言えませんけれども、どう贔屓目に見ても、中国の学生はまともにやったら 日本の学生の2倍半は年号を覚えなければならない計算になります。果たしてこれが可能なのか?という疑問があります。

話は変わってアメリカの歴史授業について。皆さん知ってのとおりアメリカという国には様々な民族が共存しています。アングロサクソン、アイルランド 系、アフリカ系アメリカ人、ネイティブアメリカン(インディアン)、華僑、ロシア系、イタリア系、ドイツ系、そして最近富に人口比率を増やしているヒスパ ニック系。イスラム圏からの移住者もきっといるでしょう。

で、こんなに違う民族がいて、まともな歴史の授業なんてできるんかいな?と思ってしまいます。例えばコロンブスの「発見」以来、ヨーロッパからの移 住者が先住民族を排除しながら、もっとわかりやすく言うと虐殺しながら、自分たちの領域を広げてきたという事実があります。これなんか授業でどう取り上げ るんでしょうね。もっとわかり易く言えば、オバマ大統領が言及したように、つい最近まで有色人種に対する差別は公然と行われてきましたが、これなんかも授 業でどう説明するんでしょうか。きっと白人の先生と黒人の先生では教え方が違うのかもしれないですが、それは公平な教育と呼べるのでしょうか。

現イラクはメソポタミア文明発祥の地、つまり史上最古の文明が生まれた土地ですが、当時の人たちがアッラーに帰依していないことは明白です。代わり にアン、エンリル以下、日本の八百万の神にも負けないほどの超多神宗教を信仰していました。という事実を現イラクで歴史の授業として行えるのでしょうか。 甚だ疑問です。

というわけで、国ごとにどう違いがあるかは、その国の歴史の授業がどうなっているかということを想像してみると、日本とはだいぶ違うだろうということが察せられますし、今の世界状況がどうしてこうなっているのかということを知る、一つの手がかりになるかもしれません。

私は世界史が万年Dのダメ学生でしたが、最近は積極的に外国の歴史に興味を払うようになりました。特に古代史を学ぶと、人間ってこの数千年間あまり変わっていないんだな、という認識が持てるのでオススメです。

Got Something To Say:

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

Copyright © 2024. Powered by WordPress & Romangie Theme.