進化論とポケモン批判

いつのことだったか正確に思い出せないのですが、たしか小学校低学年の頃、家にあった図鑑を眺めていて、「進化」という概念を啓示のように理解したときの感覚は未だに忘れることができません。とはいえ実際のところは、「生物は単純なものから複雑なものへ形を変えていった」という事実を理解したということであり、無理もありませんが、ラマルク主義(獲得形質は遺伝する)的な考えにはまっていました。つまりキリンの首はキリンのご先祖様が一生懸命首を伸ばしていたから長くなった、というアレです。私は小さな進化論者ではあったかもしれませんが、小さなダーウィニストではありませんでした。

その「発見」をした後、どちらが言い出したのか忘れましたが、「マンモスの牙はなぜあんなに長いのか」という点について父とささやかな論争が勃発し、それは今になっても決着を見ていません。(笑

私「マンモスの牙があんなに長いのは、きっと何かに使っていたからだよ。もともとは短かったのが進化して長くなったんだ。」
父「馬鹿なことを言うな。何かに使っていたら磨り減るはずだろう。あんなに長くなるまで伸ばせたのは、使わなかったからに決まってるじゃないか。」

以来、父をなんとしてでも説得したくて、生物の進化についていろいろな本を読み漁ってはいるのですが、これという結論には至っていません。

ただし、結論にこそ至っていないものの、その過程で実に様々なことが分かりました。例えば、先に挙げたラマルク主義は間違っていること、進化は小さな変異が膨大な時間の中で淘汰されることによって起こっていること、人類自身ももちろん進化の産物であり、動物の一種であること、むしろ人類はこの世界では新参者であること、などなどなど・・・。その過程で分かったことはどれも新鮮で、わくわくさせられ、どんな神話よりもスケールが大きく、興味深いものでした。

ところで最近、テレビのチャンネルを回していたら「ポケモン」をやっていまして、なんとその中では、個体が世代を経ることなく「進化」してしまうんですね。まあポケモンの番(つがい)の生殖シーンを見せろとまではいいませんが、もそっとこう「進化には想像を絶するほどの長い時間がかかる」ことを暗喩するシナリオはできないものかと思うんです。それに、進化の過程で生まれた実在した生物に比べ、ポケモンたちがなんとチンケで想像力に欠け、良識にがんじがらめのデフォルメを施されていることか。ポケモンが何種類あるのか知りませんが、それらが束になってかかっても、アノマロカリス一匹に敵わないでしょう。

私にもし子供がいたら、まがい物のデフォルメされたチンケでやたら好戦的な空想上の生物よりは、はるかに迫力がありこの世に実在し進化による洗練されたデザインの生物に触れさせることのほうを、迷わず選ぶでしょう。例えそれが「今」いなくても、それでも種は絶滅することもある、むしろこの世に生まれたほぼ全ての種が絶滅しているという見方によっては冷徹な事実を学ばせたほうが、より教育的価値はあると思うのですがどうでしょうね。

3 Comments

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馬鹿な奴が何か言ってるなw
ポケモンの進化にはレベル上げが必要なんだよw
600族(まあ、お前みたいな低脳には分からないだろうがw)の最終進化は結構大変なんだよw
お前みたいなポケモンアンチはこの世から消えろよw

口から火を吐いたり超能力を操れたりする生き物が小さなボールに収納できる。そんな荒唐無稽なファンタジーに、進化の意味なんて些細なリアリティを求めるなんて空想の自由さに欠け、常識にがんじがらめの考えだと思いませんか。
>父「馬鹿なことを言うな。何かに使っていたら磨り減るはずだろう。あんなに長くなるまで伸ばせたのは、使わなかったからに決まってるじゃないか。」
単純にサーベルタイガーの牙が長いのは使わないから、だとおかしいってことでいいんじゃないでしょうか。

裏設定もよく知ってるひと

そうじゃなくて、実際は「進化」というフレーズは不適切なんだけど、それを本来の言葉で表したら長く難しくなるから「進化」って言った方が言いやすいし便利なので「進化」って言ってるんですよ・・・執筆者さん、分かってくれましたか?

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