天津(鴨川含む)と国の銃士たち

アレクサンドル・デュマの名作「三銃士」を先日読み終えました。

いやー面白かった。久しく古典を読んでいなかったので、その意味でも新鮮ではありました。NHKの人形劇はきっと子供向けにアレンジされているのでしょうが、原作は十分大人でも満足できます。というより、むしろ子供向けではないです。

で、思わずにはいられませんでしたね、「俺は果たしてダルタニャンになれるだろうか」と。

少し解説しておくと、「銃士」というのは当時のフランス王のための近衛兵のことで、普及しつつあった銃を使うのでこの名で呼ばれました。ダルタニャンはその銃士の部隊、銃士隊に入隊することを夢見てガスコーニュからはるばるパリまで出張ってきた、まだ子供とも言えるくらいの若者で、アトス、ポルトス、アラミスの先輩三銃士と邂逅し、数々の困難を痛快に乗り越えていく、というのが大筋です。時代背景としては、フランス革命前夜、世界が中世から近代へ移り変わるちょうどその境目のころになります。

それで思ったわけです、「果たして俺と死地を共にしてくれるほどの仲間はあるだろうか」と。

でも、すぐに思い直しました。「俺のために死ぬ馬鹿はいないだろうが、銃士が王や王妃やトレヴィル殿に捧げているに匹敵する愛を、地域に対して抱いている現代版の銃士ならいくらでもいるではないか」と。

一朝火が出れば、死ぬ気で火事場に飛び込んでいく消防団、自らの理想のために労苦を厭わず社会貢献に邁進している青年会議所、地域の催しごとのために仕事を振ってやりとげる青年団、その他、その他・・・。

義ですね、漢(おとこ)たちの世界ですねぇ。気の効かない私ごときが何をしているわけでもありませんが、末席に加えられてその勇姿を目の当たりにするにつけ、いつも惚れさせられてます。

先日、消防の手入れをサボって、東京の議員会館というところに行ってきました。議員会館というのは、あの国会議員の先生方が政務を行う事務所が集まっている建物のことです。言うまでもなく私一人で乗り込んで行ったわけではありませんで、齋藤元県議に連れられて、天津小湊地区への光ファイバー誘致活動のご説明とご協力を請うためにうかがったのですが、いろいろ得ることの多い一日でありました。

いやはや、びっくりましたねぇ。何が驚いたといって、会う人会う人の頭のよさそうなこと。実際ある議員先生の秘書の方にもお会いしてお話したのですが、ああもやすやすとこちらの言いたいことが伝わるという経験は久しく、というより初めてだったかもしれません。田舎インテリを気取っていた自分が恥ずかしくなりましたよ。世の中にはやはり上がいるものです。

頭の切れもさることながら、彼らの気概というか、天下国家のために働いているんだという信念のようなものが、話をしていてひしひしと伝わってきました。それに比べて自分はなんと卑小な存在なのだろう、と。

天津には天津の銃士がいて、国には国の銃士がいる。そうして世の中が動いていることを知って、社会というものにより親しみを感じた一日でした。

Got Something To Say:

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

Copyright © 2024. Powered by WordPress & Romangie Theme.