インド発のデフラグツール「Puran Defrag」

ゼロを発見し、子供には二桁の九九を覚えさせるというIT列強国インドから、デフラグツールが出ていたので使ってみました。(ダウンロードはこちら)

・・・と普通ならここでそのツールの性能や評価などを書くのでしょうが、私の場合は違います。

他にもデフラグツールはたくさんあるのに、なんでこれに惹かれたかというと、その名前です。

インド建国の父といえば「ガンジー」なのは子供でも知っていますが、インドのカースト制度、男尊女卑社会、貧困に真っ向から立ち向かい、国会議員に当選を果たしたものの、敢えなく凶弾に倒れた女性闘士がいました。その名が「プーラン・デヴィ」。プーランとはヒンドゥ語で「花」の意味です。

前にテレビで彼女のことが特集されており、「げっ、インドってこんな国なのか」というかなり強いネガティブな印象を受けました。実状を知ったら呑気にインドカレーなんか食っていられませんよ。

ものはついでというわけで、デフラグツールを走らせながら、市の図書館で「女盗賊プーラン 」を借りて一晩かけて読了しました。いつものことながら、この図書館、ほんとに私の読みたい本ばかり置いてくれています。

インドのカースト制度のことは学校でも習いましたし、知識として知ってはいましたが、なんせ「天は人の上に人を作らず」と公言した人がお札になってる国に住んでいるもので、なかなかその実状は知りませんでした。カーストについてご存知ない方のためにさらっと説明すると、インド固有の身分制度で、おおまかには、ブラフミン(僧侶)、クシャトリヤ(武士)、バイシャ(平民)、シュードラ(奴隷)、そして不可触民族とされるバリヤ、があります。

上に上げたのはあくまでおおまかな区切りで実際には何千もの位階があり、それよって床屋の子は床屋に、農民の子は農民にしかなれません。

プーランは、マッラというシュードラの一階級の家の子として生まれました。これ以上はないほど家は貧しく、おそらく、というのは彼女は生年を正確には知らないからなのですが、11才のときに結婚させられ、嫁ぎ先で筆舌に尽くしがたい虐待を受けます。ちなみにインドの法律では未成年(18才以下)の少女との婚姻は違法ですが、法の及ばない農村地帯ではそのようなこともまま起こっているそうです。結婚は破談になり、実家で過ごすうち、また結婚の話が持ち込まれます。が、そこでは妾が幅を効かせるようになり、正妻のプーランはネグレクトされます。とにかく、彼女は不幸になるために結婚させられるといってもいいくらいなのですが、そのうち、ひょんなはずみでダコイット(盗賊)に加わります。率いていたリーダーがやはりマッラ階級のヴィクラムというやつなのですが、これがすこぶるいい男。プーランに対してもやさしく接し、仲間からの信頼も厚い。男の私でも惚れそうな、度胸とやさしさを兼ね備えた義侠の徒なんですな。となるとプーランとの関係も・・・、とこれ以上は本を読んでください。w

しかし、「ひっどい国だ」なんて言って色々調べていたら、なんと我が日本もUNICEFの見解では「カースト」の国なんだそうです。部落差別問題とかのことかと思いましたが、意外に身近なことかもしれないと思い直しました。例えば政治家や芸能人は二世三世が当たり前ですし、一部の宗教家は悪く言えばその地位を血族で独占しています。いわゆる「世襲」ってやつですね。インドのように下位者を差別する意味でのネガティブなカーストはないかもしれませんが、比較的社会的上位者にはポジティブなカーストのようなものはあるのかもしれません。

ちょっと遠回りしましたが、結局冒頭のデフラグツールは、社長さんの名前がプーラン・チャンド・グプタさん(男性)の名にちなんだだけで、今までさんざん話題にしてきたプーラン・デヴィに敬意を込めて、というわけではないようです。なんだよ、それってなオチがついた所で今日のブログは終わりです。おやすみなさい。

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